私たちは、無意識的に自分の感情を隠してしまうことがあります。本当は感情の声が聞こえているのに、聴かないで、そんなものは無いようにふるまい、本当に自分から隠してしまうのです。
隠された感情は、取り残され、潜在意識に蓄積されていきます。エネルギーとして溜まっていくのです。溜まりすぎたエネルギーはいつか必ず自己主張します。隠された感情はどこかで気づかざるをえないようになっています。
感情を隠すと、取り残された感情が潜在意識に蓄積されていきますが、それをどのように気づかせるかという点では、個性によって特徴があります。少し蓄積した段階で気づかせる個性もあれば、隠したままにしておいて気づきやすい段階まで蓄積するままにしておくという個性もあります。
ですからカウンセリングでの人の導き方は、千差万別です。個性を無視した一律の導き方はできません。相手に寄り添って、よく聴きながら、心で個性の声を感じ取りつつカウンセリングを進める必要があります。
ある方は知人から「あなたは本当に幸せなの?」と聞かれて、考え込んでしまいました。自分は豊かで幸せだと思っていたのに、あらためて面と向かってそれを聴かれたときに、即答できない自分がいました。「幸せで豊かです」という本音の自分を否定して「まだまだです」という癖が、この方にはあったのです。
これはささいな問題に見えて、実は根深いものがありました。この方は根深く自己否定の癖をもっていて、自分を認めることがとても苦手だったのです。
実は深層潜在意識の奥にどうしても肯定できない自分を経験した強烈な記憶があり、どうしても自分を受け入れることができないで苦悩した時間がとても長く続いてきたのです。自己否定の癖はそこに起因していました。
さて、「隠された感情」、言い換えると「取り残された自分」の癒し方についてお話します。
まず前段階として、隠された感情があふれ出てきたときに、全身で表現しているその感情を感じ取ることが大切です。隠された感情は、どこかで何らかの形であふれ出てきて気づかざるを得ないようになっています。そのときに、しっかりとその感情を感じ取り味わうことが大事なのです。「私は本当はこんなふうに感じていたのね」、と受け止めることです。
そして、あたかもその感情がないかのようにふるまっていた自分を理解し、その気持ちにも寄り添います。
そのうえで、「こうしよう」もしくは「こうしたい」と決意をすることです。この決意をすることで、自分が変化します。
心理カウンセラー 種村修 (種村トランスパーソナル研究所)
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