カウンセリングでさまざまな人の話を聴いたり、自分の人生を振り返ってみて感じるのですが、人間というのは魂が大きくなるために実に様々な経験をしていると思います。
「魂が大きくなる」というのは、言葉を換えると「心が成長する」ことです。
不幸と見える極端な経験であっても、それを通してしか学べないことがあると思います。その時にできた心の傷を癒しつつ、「何を学ぶための経験だったのか」と問いかけ、その経験の意味に気づけると心は成長します。
その結果、あれほど苦しみ嫌なことだと思ってきたことが、感謝に変わります。「この成長のためにはこういう経験が必要だった。障害物と見えたのは、ジャンプ台だった。」
そう気づけると感謝に変わるのです。感謝が湧き出たら、その経験は卒業したと考えてよいと思います。
そうした体験を数多くすると、経験することのすべてを肯定できるようになっていきます。この肯定は善悪の善という意味ではなく、魂の成長にとって意味のある有り難いこととして肯定できるのです。
とりわけ肯定するようになるのは自分自身です。
とりわけ心に傷を負うような経験では、ほとんどの場合「自己否定」をしています。この自己否定によって、自分を委縮させたり、個性をゆがめたり、個性の生き生きとした発揮ができない状態に陥ります。
現代はうつで苦しむ人が多いのですが、うつの人は必ず深刻な自己否定を抱えています。うつは自己否定の病気だと私が思うのは、現在・過去・未来にたいして自己否定し、自分の能力や人間性や人生を否定し、深い自己不信を抱えているからです。
誰にでもある自己否定ですが、「自己否定をとるプロセスこそが心の成長」だと思います。
自己否定を取って現在の自分を抱きしめたとき、また過去や未来の自分をも抱きしめたときにこそ、心は成長するのです。
ですからうつの時は、自己否定の思いと向き合っている最中ですので、最も成長のチャンスに遭遇しているといえるのです。
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心理カウンセラー 種村修 (種村トランスパーソナル研究所)
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