答えは一つではないというのは、受験勉強で訓練されてきた私にとっては、なかなかなじめない考えでした。
私には、人生の問題にしても、病気にしても、一つの問題に対しては一つの結論があり、一つの解答があるという思考が根強くありました。問題と解答のパターンを公式として覚え込み、さまざまな悩みの相談に適用したいという考えをもっていました。
そのほうが、楽だからです。一度確立した考えを何度でも応用できると、一つ一つの問題ごとに様々な面から考える手間が省けます。
しかし、私がカウンセリングをしたり自分を見つめていく過程でぶち当たったのは、この考えを捨てねばならないということでした。
権威ある考えを絶対視して、それを無条件に従おうとする思考は間違いなのです。よく似た問題でも同じ解決策が適応できるとは限りません。
心と肉体の相関関係にしても、医学的に権威ある常識が、ケースバイケースでは全く当てはまらないことを知りました。実際に経験して確認しました。
一例をあげます。
私は血糖値が正常値よりすこし高く、糖尿病には常に注意を払ってきました。50代の間は体重と血糖値が確かに連動していました。だから体重を10キロ以上減らすことで、血糖値を下げたてコントロールしてきました。
しかし、60代に入って体重が下がったのに、血糖値がやや上がり出しました。それは実に深刻な問題でした。
そこでもう一度体の声を聴く努力をして、いろいろ調べ直してもみて、体重を減らすより膵臓が元気になる努力をする方向へ方針転換しました。
そのために膵臓が元気になるように、ニラとレバーを週一度は食べ、他にも肉料理を増やしてタンパク質を補強しました。白米では糖の吸収が速すぎるので、玄米にしました。夜食にはりんご酢を飲むことで、夜中の糖吸収を穏やかにしました。また飲料水も南アルプスの天然水に替え、それ以外の飲み物は一日コップ3杯以内に制限しました。また体内の血液循環をよくするために、入浴はシャワーで済まさずきちんと湯船に湯をためてはいるようにしました。
その結果、体重は半年で5キロ増えましたが、血糖値は下がり続けています。先日病院で検査して、血糖値の低下を確認できました。
これでわかったことは、私の場合は膵臓の機能が弱っている結果、血糖値が高くなっていたので、体重の制限だけではもっと膵臓を弱めてしまいかねなかったということです。膵臓が元気になる食事をすることで、体重が半年間に5キロも増えたのに血糖値は下がってきたのです。
これでハッキリわかったことは、ケースごとに解答は全部違う可能性があるということです(もちろん同じという可能性もあります)。つまり一つの解答をパターン化してはいけないということです。そのケースごとに、その都度、解答は異なっている可能性があることを教えられました。
心理カウンセラー・種村修(種村トランスパーソナル研究所)
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