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洗脳解除に役立つ本



洗脳問題で悩んだり、家族を救いたいと思って連絡くださる方が数多くいらっしゃいます。そうした方には電話でも面談でも基本的なことをお伝えしているのですが、実際にやってみるとしばしば壁に突き当たるのが現実です。

そこで洗脳問題で家族を救いたいか、自分を救いたいと思っている方に、是非読んでほしい本をご紹介したいと思います。読みやすく、かつ良心的な本としてお勧めできるのは、次の一冊です。

岡田尊司著『マインド・コントロール』文芸春秋


これを読めば洗脳解除に関する基本的な知識が学べるために、洗脳解除で犯しやすい失敗を未然に防げます。また自分が経験したことが洗脳か否かを判断できると思います。

本書に書かれている一番の要点を、かいつまんで紹介します。一番知ってほしいことは洗脳の5つの原理です。

洗脳の第1原理:情報入力を制限する、または過剰にする

人間の脳は情報処理装置ですが、脳のもつ思考パターンや行動パターンに変化を引き起こす二つの極端な手段があります。

一つは極端に情報入力を低下させ、情報飢餓状態に置くことです。人間の脳は情報に飢えた状態(一番強烈なのは感覚遮断状態)に置かれると、どんな情報でも、与えられた情報を取り込んでしまいやすくなります。隔離して外部の情報が入らないようにして特定の情報だけ与えられると情報の過剰吸収が生じて、極端な思想でも受け入れてしまうのです。

もう一つは、情報過剰状態にすることです。人間の脳は常に膨大な情報にさらされると、脳はキャパオーバーの状態になり、主体的情報を取捨選択できなくなり、考える力も失ってきます。すると入ってくる情報を鵜呑みにするようになります。カルトなどで大量の教祖の説法を聞かせ続けられた信者が、強力な洗脳状態にされるのは、このケースです。

洗脳の第2原理:脳を慢性疲労状態に置き、考える力を奪う

洗脳の第一原理をさらに強化するために使われるのが、この第二原理です。脳を慢性疲労の状態におくことで、脳のキャパシティを低下させ、思考力をうばうのです。

方法としては、隔離して貧しい食事しか与えないで生理的に脳を栄養不足にするか、過剰な情報を途切れなく与え続けることで、脳が処理能力をオーバーした状態を作り、脳の疲労をまねきます。睡眠時間を削らせて脳の判断機能を低下させる方法も使われます。

機関銃のような営業トーク、教祖の音声を常に聞かせる教育指導、研修合宿等での栄養不足・睡眠不足、また長時間の重労働、これらは効果的に脳の機能低下をもたらすために利用されます。

もう一つ、先の見通しを奪い、常に過度の不安と緊張にさらし、希望と絶望の間を行き来させることで精神的に消耗させる方法もあります。わざと親切にするかと思うと、激しく罵倒し、打ちのめす。それも大した理由もなく態度を変えられると、人は精神的に屈服させられていきます。虐待でも通常は洗脳を伴いますが、そこではこの方法が使われています。

洗脳の第3原理:確信をもって救済や不朽の意味を約束する

1原理と第2原理は、いわば洗脳の下地作りです。ここで主体性や判断能力を低下させ不安を高め、喜びや楽しみを奪い、その後に、いよいよ核心に踏み込んできます。「あなたも救われる道がある」と確信をもって語りかけ、最高の人生の意味を与えると約束するのです。

ここで洗脳のリーダーは神秘性を持ったカリスマ性を演出します。彼のカリスマ性の源泉はゆるぎない信念(強烈な思いこみ)と誇大自己の万能感です。これはおとしめられ自己否定を植え付けられた者にとっては、まぶしく神々しい拠りどころと感じられます。心の底から指導者を信じるようになります。その指導者は救済を約束する、一種の救世主として信仰を集めるのです。

こうした救世主に、世俗的な価値を離れた普遍的な価値を呈示され、信じる力の大切さを繰り返し教え込まれると、熱烈信者が出来上がります。信者は指導者の約束を唯一の人生の希望として生きるようになります。

洗脳の第4原理:人は自分を認めてくれた存在を裏切れない

人間は社会的動物です。群れで生活しますので、いったん仲間だと認めたものに対して忠誠を尽くす本能を持っています。仲間であることを強調し、時には過去世からの縁を強調し、愛情や共感を演出します。愛情爆弾と呼ばれる手法では、集中砲火を浴びせるように「愛しています」といい続けたり、経験したことがないような賞賛や祝福の集中砲火を経験させます。

こうした心地よい経験をすると、人は何度も繰り返し経験したくなります。祝福され賞賛されるので、布施を繰り返すうちにどんどんそれが高額になっていき、貯金を使い果たすということも出てきます。本人は良い気持ちで出し続けているので、被害者意識を持っていません。すべてを失った時に初めて気がつくのですが、すでに遅しです。

社会的動物である人間の持っている承認欲求は非常に強いものです。自分を認めてくれた者に対しては、それに応えたいという忠誠心を抱きます。その結果、自分を認め受け入れてくれた人や組織を裏切ることには、強い心理的な抵抗を感じます。これが洗脳の力、脱会を防ぐ力となります。

洗脳の第5原理:自己判断を許さず、依存状態に置き続ける

3原理、第4原理は、正しく使われると健全で勢いのある組織や人間関係につながる場合があります。しかし洗脳の場合は、それがメンバーの主体的な行動や自由な判断力を奪い、自立心を奪って依存させていきます。

洗脳においては「自分で考えたり決定したりすることを極力排除し、支配するものだけが意思決定を行い、本人はただそれに従うだけ」という状態になります。これが洗脳なのです。

以上、本書が分析している洗脳(マインド・コントロール)5つの原理を、その要点だけを紹介しました。これだけでも自分や家族が洗脳状態にあるのか、そうでないのかの判断をすることは十分可能だと思います。

自分や家族が、心の底からよいと信じてきた信念が、実は洗脳の技術を持ったリーダーによる意図的な操作によって植え付けられてものであったことに気がつけば、そこが洗脳解除の出発点となるはずです。


種村トランスパーソナル研究所の「カウンセリングルーム希望」では、洗脳解除のお手伝いをしております。詳しいことは、下記の「カウンセリングルーム<希望>」のご案内をご覧ください。
http://tanemura2013.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

コメント

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境界性パーソナリティ障害1…愛情飢餓の苦しみを抱えて

1.決して珍しくない症状



境界性パーソナリティ障害は、最近増えつつあるのですが、対人関係が難しいという特徴があるので、大変厄介です。 リストカットを繰り返したり、自殺の企てを何度もしたり、摂食障害で拒食症や過食症に悩んだり、家庭内での親への暴力、援助交際などの性的逸脱などなど、こうした激しい行動の背景には、往々にして境界性パーソナリティ障害が潜んでいます。これに薬物への依存が加わることもあります。
そのために境界性パーソナリティ障害では、本人の苦しみが激しいだけでなく、家族やその周囲の人が振り回されてへとへとになっていくことが少なくありません。


特に境界性パーソナリティ障害への対応で難しいのは、通常の場合、その人を熱心に支えようとすればするほど、症状が悪化していくことです。親身に支えてくれる人に対して、どんどん要求をエスカレートさせたり、攻撃的で衝動的になったり、自殺の企てを繰り返すことも少なくありません。そのために親身になって支援しようとした人自身が傷つくことも多いのです。
アメリカではこの障害を持つ人は全人口の2パーセントもあり、さらに精神科外来患者の11%、入院患者では19%が境界性パーソナリティ障害の要素を持っていると言います。日本もそれに近づいてきているといわれています。



青年期に発症することが多いので、若い人の間では境界性パーソナリティ障害を持つ人は、大幅に割合が増えることになります。なかでも女性に多くみられ、80%をしめます。男性も20%を占めていて、性差がなくなっている現在では、男性が発症するケースも増える傾向があるようです。

2.見捨てられ不安と愛情飢餓

境界性パーソナリティ障害を持つ人は感情がとても不安定です。

たとえば、片時も離れたくないほどの恋人だったはずなのに、突然鬼のような怖い顔になり怒りまくる。たんなるお友達のはずなのに、夜中まで突き合せておきながら、翌日はがらっと態度が変わり激しく罵倒する、などなど・・・。

こうした極端に不安定な気持ちや言動の元にあるのは「相手に見捨てられるかもしれない」という不安です。しかも、その「不安」は、本人が思いこんでいるだけで、相手にしてみれば全く心当たりがない場合がほとんどです。そのため何を怒っているのか、見当がつきません。

境界性パーソナリティ障害の人は、大変深刻な「見捨てられ不安」をもっているのです。そのために、ささいな…

境界性パーソナリティ障害7…特徴(4)怒りのブレーキが効かない

①感情がコントロールできない

境界性パーソナリティ障害の人も私たちも、もっている感情に違いはありません。ただ違うのは、私たちより「物事を強烈に感じ、より激しい形で反応し、自分自身の感情や行動をうまくコントロールできない」ということです。
境界性パーソナリティ障害の人の怒りは激しく、予測不可能で、筋道を立てて話をしても抑えることができません。大雨の後の鉄砲水や地震や、晴れた日の雷のようなものです。現れるのと同じように、消えるのも突然です。

もう聞いているしかないほど怒りの激流となるので、相手をする人は疲れ果てて行きます。仕方がないから感情をなだめるために、境界性パーソナリティ障害の人の言うままになってコントロールされている家族があります。これは非常に多くあるケースです。この場合、家族の心の中には、出すことのできない怒りが蓄積されていくので、家庭の中の空気が非常に冷たくとげとげしいものとなりがちです。 もっとも、境界性パーソナリティ障害の人の中には、自分の怒りを全く表現することができないという正反対の問題を抱えている人もいます。怒りがないのではなく、「少しでも怒りを表したらコントロールを失ってしまうとか、わずかな怒りでもそれを向けた相手が仕返しをするのではないかという恐怖心を抱いている」からです。怒りのブレーキが壊れているという感覚では共通しています。

通常このタイプの人は、怒りだけでなく、あらゆる感情が激しくて、それを抑えるブレーキが壊れているように感じています。それは彼らが痛みに対して、非常に過敏な心を持っているからです。ある専門家はこれを、全身の9割に重度の熱傷(やけど)を受けているような状態だといいます。「感情という皮膚がなく、わずかに触れたり、動いたりするだけでも、彼らは苦痛に悶えるのです」。ですから制御できなくて激しい反応が起きてしまうのです。
この敏感さは、境界性パーソナリティ障害の人が、潜在意識と同通しやすいこととも密接にかかわっています。鈍感な人であれば感じないので平気なことでも、潜在意識と同通して敏感な人にとっては、拷問なような苦しみを感じることがあるのです。心がむき出しになっていて、小さな刺激にも過敏に反応するのです。このタイプの人が、激しい猫舌であることも、しばしば見かけます。感覚も過敏であることが少なくないように思います。

②怒りの奥にある生き残り戦略…

境界性パーソナリティ障害5…特徴(2)対人関係の不安定さ

①理想化とこき下ろし

境界性パーソナリティ障害の二番目の特徴は、人間関係が不安定で変動が激しいことです。
「理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係」というパターンがあるのです。


「理想化」というのは、「最高だ!」「こんな人に出遭えたのは初めて!」と感じて、相手を理想の人だと思いこむことです。


境界性パーソナリティ障害を持つ人は、自分を支えてくれ、愛情飢餓を癒してくれる人を常に求めています。ですから、これはという人物に巡りあえると、急速に相手に対する期待が高まります。そして「この人こそ、自分が求めていた人だ!」その思いが膨らむと、極度に理想化したり、万能な存在であるように思いこみやすいのです。

このタイプの人は、心の深いところで母親や父親の代理を相手に求めています。ですからその欲求を満たしてくれる人に出会うと、どんどん依存を深めていきます。

さらに境界性パーソナリティ障害をもつこのタイプの人は往々にして恋愛感情に入っていきやすいので、理想の相手に見えて恋心に火がつくことも少なくありません。しかし、これはこの人の中にある理想の父親もしくは母親の投影として、理想の恋人に見えているのであって、本当の恋心とはいえません。


もし恋人関係になったとしても、この関係は長続きしません。どこかで相手が支えきれなくなるからです。相手がその人のもつ過大な期待にしり込みしたり、あるいはもう飽き飽きしたという態度を取ると、境界性パーソナリティ障害の人は「見捨てられるのではないかという不安」に捉われます。
そこで必死にしがみつこうとしたり、相手の気を引く行動をとります。

それでもさらに相手が引くそぶりを見せると、激しい失望を感じて、「裏切られた!」と怒りを感じます。そうすると、今度は相手が攻撃の対象になりかねません。


些細なきっかけで、その人の何らかの要求が満たされないと、評価が180度逆転して、罵詈雑言を浴びせることもありがちです。そして「最低!」「信じて損した」「私の時間を返してよ」という具合に、激しい言葉を浴びせるのです。言葉だけでなく、行為で迷惑をかけることもあり、相手は翻弄されていくことになります。
②アンビバレント(両価的)な感情
このタイプの人を理解する鍵は、「アンビバレント(両価的)」な感情にあります。