2016年3月30日水曜日

洗脳解除に役立つ本



洗脳問題で悩んだり、家族を救いたいと思って連絡くださる方が数多くいらっしゃいます。そうした方には電話でも面談でも基本的なことをお伝えしているのですが、実際にやってみるとしばしば壁に突き当たるのが現実です。

そこで洗脳問題で家族を救いたいか、自分を救いたいと思っている方に、是非読んでほしい本をご紹介したいと思います。読みやすく、かつ良心的な本としてお勧めできるのは、次の一冊です。

岡田尊司著『マインド・コントロール』文芸春秋


これを読めば洗脳解除に関する基本的な知識が学べるために、洗脳解除で犯しやすい失敗を未然に防げます。また自分が経験したことが洗脳か否かを判断できると思います。

本書に書かれている一番の要点を、かいつまんで紹介します。一番知ってほしいことは洗脳の5つの原理です。

洗脳の第1原理:情報入力を制限する、または過剰にする

人間の脳は情報処理装置ですが、脳のもつ思考パターンや行動パターンに変化を引き起こす二つの極端な手段があります。

一つは極端に情報入力を低下させ、情報飢餓状態に置くことです。人間の脳は情報に飢えた状態(一番強烈なのは感覚遮断状態)に置かれると、どんな情報でも、与えられた情報を取り込んでしまいやすくなります。隔離して外部の情報が入らないようにして特定の情報だけ与えられると情報の過剰吸収が生じて、極端な思想でも受け入れてしまうのです。

もう一つは、情報過剰状態にすることです。人間の脳は常に膨大な情報にさらされると、脳はキャパオーバーの状態になり、主体的情報を取捨選択できなくなり、考える力も失ってきます。すると入ってくる情報を鵜呑みにするようになります。カルトなどで大量の教祖の説法を聞かせ続けられた信者が、強力な洗脳状態にされるのは、このケースです。

洗脳の第2原理:脳を慢性疲労状態に置き、考える力を奪う

洗脳の第一原理をさらに強化するために使われるのが、この第二原理です。脳を慢性疲労の状態におくことで、脳のキャパシティを低下させ、思考力をうばうのです。

方法としては、隔離して貧しい食事しか与えないで生理的に脳を栄養不足にするか、過剰な情報を途切れなく与え続けることで、脳が処理能力をオーバーした状態を作り、脳の疲労をまねきます。睡眠時間を削らせて脳の判断機能を低下させる方法も使われます。

機関銃のような営業トーク、教祖の音声を常に聞かせる教育指導、研修合宿等での栄養不足・睡眠不足、また長時間の重労働、これらは効果的に脳の機能低下をもたらすために利用されます。

もう一つ、先の見通しを奪い、常に過度の不安と緊張にさらし、希望と絶望の間を行き来させることで精神的に消耗させる方法もあります。わざと親切にするかと思うと、激しく罵倒し、打ちのめす。それも大した理由もなく態度を変えられると、人は精神的に屈服させられていきます。虐待でも通常は洗脳を伴いますが、そこではこの方法が使われています。

洗脳の第3原理:確信をもって救済や不朽の意味を約束する

1原理と第2原理は、いわば洗脳の下地作りです。ここで主体性や判断能力を低下させ不安を高め、喜びや楽しみを奪い、その後に、いよいよ核心に踏み込んできます。「あなたも救われる道がある」と確信をもって語りかけ、最高の人生の意味を与えると約束するのです。

ここで洗脳のリーダーは神秘性を持ったカリスマ性を演出します。彼のカリスマ性の源泉はゆるぎない信念(強烈な思いこみ)と誇大自己の万能感です。これはおとしめられ自己否定を植え付けられた者にとっては、まぶしく神々しい拠りどころと感じられます。心の底から指導者を信じるようになります。その指導者は救済を約束する、一種の救世主として信仰を集めるのです。

こうした救世主に、世俗的な価値を離れた普遍的な価値を呈示され、信じる力の大切さを繰り返し教え込まれると、熱烈信者が出来上がります。信者は指導者の約束を唯一の人生の希望として生きるようになります。

洗脳の第4原理:人は自分を認めてくれた存在を裏切れない

人間は社会的動物です。群れで生活しますので、いったん仲間だと認めたものに対して忠誠を尽くす本能を持っています。仲間であることを強調し、時には過去世からの縁を強調し、愛情や共感を演出します。愛情爆弾と呼ばれる手法では、集中砲火を浴びせるように「愛しています」といい続けたり、経験したことがないような賞賛や祝福の集中砲火を経験させます。

こうした心地よい経験をすると、人は何度も繰り返し経験したくなります。祝福され賞賛されるので、布施を繰り返すうちにどんどんそれが高額になっていき、貯金を使い果たすということも出てきます。本人は良い気持ちで出し続けているので、被害者意識を持っていません。すべてを失った時に初めて気がつくのですが、すでに遅しです。

社会的動物である人間の持っている承認欲求は非常に強いものです。自分を認めてくれた者に対しては、それに応えたいという忠誠心を抱きます。その結果、自分を認め受け入れてくれた人や組織を裏切ることには、強い心理的な抵抗を感じます。これが洗脳の力、脱会を防ぐ力となります。

洗脳の第5原理:自己判断を許さず、依存状態に置き続ける

3原理、第4原理は、正しく使われると健全で勢いのある組織や人間関係につながる場合があります。しかし洗脳の場合は、それがメンバーの主体的な行動や自由な判断力を奪い、自立心を奪って依存させていきます。

洗脳においては「自分で考えたり決定したりすることを極力排除し、支配するものだけが意思決定を行い、本人はただそれに従うだけ」という状態になります。これが洗脳なのです。

以上、本書が分析している洗脳(マインド・コントロール)5つの原理を、その要点だけを紹介しました。これだけでも自分や家族が洗脳状態にあるのか、そうでないのかの判断をすることは十分可能だと思います。

自分や家族が、心の底からよいと信じてきた信念が、実は洗脳の技術を持ったリーダーによる意図的な操作によって植え付けられてものであったことに気がつけば、そこが洗脳解除の出発点となるはずです。


種村トランスパーソナル研究所の「カウンセリングルーム希望」では、洗脳解除のお手伝いをしております。詳しいことは、下記の「カウンセリングルーム<希望>」のご案内をご覧ください。
http://tanemura2013.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

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