2015年11月29日日曜日

回避性パーソナリティ障害から境界性へ(2)



 回避性パーソナリティ障害を持つ人は、大きな特徴として、「本当の気持ちと向け合えない」という傾向を持っています。

本当の気持ちとは、誰かを好きになったり、誰かを嫌いだったりする気持ちです。また、何かが嫌だ、あるいは何かが大好きだという根本的な感情です。その強い感情を曖昧なものにしたり、逆に否定してしまい、自分の気持ちに向き合うことから逃げるのです。

その理由は、自分が誰かを好きであると認めてしまうと、拒絶されたり、失った時に、自分が傷ついてしまうことを恐れるからです。そうならないように予防線を張って、本心を、自分に対しても相手に対しても隠し、ごまかそうとします。

「本当の気持ちをぶつけるのが怖いから、言わないようにして、傷つかないようにしていた」
という声は、その特徴をよく表しています。

その結果、
「自分の感情がよくわからない」、
「自分の感情をどう表現してよいのかわからない」
という問題が生じてきます。

勉強や仕事でも、本当はやりたいことがあっても、自分には無理だと思いこみ、失敗を恐れるあまり、最初からやろうとしなかったり、その人の能力からすると低すぎるものを選んだりします。

しかし、本当にやりたいことから逃げた結果、フラストレーションが溜り、やる気が起きなくなるという状況が起きてきます。そして最終的には、自分が動けなくなってしまうところまで行くのです。

こうなる理由は、「自分に過度に自信がないため」です。そして、自分の本当の気持ちと向き合うのを避けてきたからです。自信とは、そういう自分と対決して、逃げずに立ち向かった時に、静かにあとからついてくるものではないでしょうか。もし結果が思うようにいかなくても、「立ち向かった自分」には誇りが持てるように思います。逃げずに戦ったということ自体が、自信を与えてくれると思うのです。


さて、「最終的には、自分が動けなくなってしまうところまで行くのです」と書きましたが、動けなくなったということは、心の願いを無視して安易な方向に進むくことを心が拒絶しているのかもしれないと思います。

ですから、回避性パーソナリティ障害から境界性パーソナリティ障害を併発した人が本当に回復するには、自分の主体性を回復する努力をすることが必要です。

そのためには、「自分の気持ちを自覚し、それを口に出して言い、それに基づいて行動できるようになることが何より大事」なのです。

医学博士の岡田尊司氏は、「境界性の状態になること自体、自己主張や主体性を取り戻そうとする変化の現れである」と指摘しています。境界性の状態になっているということは、今までの生き方を変えて、もっと主体的に生き、自己主張もきちんとできる生き方をするように、病気が促してくれているのです。

そこで境界性になった人が主体性を取り戻すには、周囲がお膳立てしすぎて、本人の人生の問題を肩代わりしたり、責任を代行したりしないことが、最低限必要になります。

周囲はつらくても、本人が自分の気持ちに向き合って、自ら立ちあがるのを、辛抱強く時間をかけて見守り、本人を信じて本人の責任で選択してもらい行動してもらう必要があるのです。これは本人の「内なる力」を信じないとできません。周囲の人も一段と成長することが求められ、促されていると言えましょう。



(注:本文中の「  」内は、岡田尊司著『境界性パーソナリティ障害』から引用させていただきました)

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2015年11月28日土曜日

回避性パーソナリティ障害から境界性へ(1)



回避性パーソナリティ障害の人が、何らかの事情で社会への適応がうまくいかなくなり、家庭に引きこもった場合には、それをきっかけに境界性パーソナリティ障害の状態に陥ることがあります。

ここでは、回避性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害の併発という問題を、取り上げたいと思います。

①傷つきを恐れる

これまで述べてきたように、基本的に回避性パーソナリティ障害を抱えている人は、「傷つくことに敏感すぎる」という際立った特徴があります。

自分が傷つくことを極端に恐れる」のです。

失敗や恥をかくことに非常に敏感」で、これを避けようとします。

自分に「逃れられない責任がかかる状況」を何とか避けようとします。

対人関係では、直接的な関わりである「面と向かい合う関係が苦手」です。ですがメールや電話などをつかっての間接的な関わりであれば、比較的自分を出すことができます。

基本的には、人と接するのをさけたがり、目立つのが嫌いで、「誰かの後ろに身をひそめようとする」行動パターンが多いといえます。

これは「自分に極度に自信がない」ことから生じる行動パターンです。

自分に自信がないので、他者から自分に関心が向けられること自体が苦痛を感じるという人もいます。もし関心がもたれ、自分の過去のことや内面で考えていることを知られたらどうしようと困惑し、人との接触を控えてしまいがちです。

ですので、自分から自己アピールをするということはめったにありません。その為に、せっかく長所や特技があっても、周りがそれに気がつかず、その才能を生かすことができないでいます。これはその人にとってはもちろんですが、周囲にとっても損失です。

②挫折体験の傷が残っている

このタイプの人は、これまでにも大きな失敗や挫折を経験していることが多いのですが、その時にできた心の傷がまだ癒えていません。だから、同じような局面を回避することが最優先になって、しり込みしてしまうのです。

このタイプの人の場合、些細な失敗や挫折をから、なけなしの自信を完全に失うと、それをきっかけに家に引きこもってしまうということがあります。失敗や挫折で味わった失意をはねのけ、リバウンドする力強さを持てないでいるのは、自信が欠如しているからです。

回避性パーソナリティ障害の人の生育過程を見ると、一般的には幼い時から褒められずに育てられたことが多いようです。実際には褒められたこともあると思うのですが、何らかの理由で「一度も褒められたことがなかった」と信じていることがあります。

あるいは母親が、自分の大変さから、ゆとりをもって子供に接する余裕がなかったのかもしれません。母親の心のゆとりは、夫から愛情を注がれることによって生まれますので、夫が妻を支えなかったのかもしれません。養育の中心は母親ですが、その母親がどういう気持ちで子育てできるかは、夫の妻への接し方によって天と地ほどの開きが生まれるます。

褒められて育ったのに、この障害を引き起こすこともあります。過保護に親にかわいがられてきた人でもこの障害に陥ることがあるのです。親から叱られたことがなく、極めて自己愛的に育った人が、社会に出るようになって周囲からきついことを言われ、自信を打ち砕かれるという場合です。

それまで「自信家で、自分が一番でないと気がすまないという自己愛性が高いタイプ」から、急激に「自信のない、人付き合いをさけるタイプ」に変化することがあります。自己愛性パーソナリティ障害の人が何らかの挫折をきっかけに、境界性や回避性のパーソナリティ障害を併発することもあるのです。

③ひきこもりへ

回避性パーソナリティ障害の人は、自分の能力以外にも、自分の外見や異性を惹きつける魅力の面でも劣等感を持っていることがよくあります。客観的には十分魅力的であったとしても自分では気がつかず、「醜い、魅力がない」「どうせ嫌われる」と思いこんでいて、異性を避けようとしがちです。

こうした回避性パーソナリティ障害の人が、実社会への適応がうまくいかなくなり、家庭に引きこもって、親や配偶者にベッタリと依存して暮らすようになると、それをきっかけに境界性パーソナリティ障害になっていくことがあるのです。

こういう場合、外でうまく生きてゆけない苛立ちや落胆を、親や配偶者にぶつけて八つ当たりをしたり、自傷行為や自殺未遂をして心配させることで、結果的に周囲を振り回します。これは境界性パーソナリティ障害の発症を告げるサインです。

親や配偶者が何とか立ちなおらせようと密着し、熱心に関われば関わるほど、本人の問題がいつの間にか周囲の問題であるかのようにすり替えられていきます。そして親や配偶者が悪いといわれるようになるのです。

問題を自分の問題として取り組むこと、受け止めることが、怖くてできない以上、親のせいや職場のせいや誰かのせいにしたい気持ちが湧いてくることは避け難いことです。そうして必死に自己防衛することで、自分が崩壊してしまうことを避けようとしているのです。そういう心の動きを、周囲は理解する努力をして受け入れる必要があると思います。

(注:本文中の「  」内は、すべて岡田尊司著『境界性パーソナリティ障害』から引用させていただいています)


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2015年11月26日木曜日

傷つきと失敗を恐れる人・・・回避性パーソナリティ障害⑥では、どうすればいいのか



では、どうすればいいのか

(1)迷った時はやってみる

プライドが邪魔をして、身体が元気なのに働けない時があります。リストラ後に、なかなか職安に通えない時なども、こういう場合に当てはまります。

そんなときはプライドをいったん棚において、とにかくアルバイトでも何でも、仕事に飛び込んでみるのがいいと思います。

一生懸命に働いていると、生活のリズムと幾ばくかの生活費が手に入ります。自分が誰かのお役に立っているという、確かな手ごたえを感じると思います。それに伴って、気持ちも前向きになってくると思います。

迷った時は動いてみる、迷った時はやってみる。そういう習慣が、思わず道を拓くきっかけになるのです。小さな行動をすることです。迷っている時に大きな決断をすると危険ですが、何もしなくなるのも危険です。小さな変化を自分から起こすことです。

よどんで流れない水は、腐ります。でも流れている水は腐りません。私たちの生命も、生活がよどんで停滞せず、何かが動いていれば、どこかが流れていれば、腐らず生き返ります。

勉強も行き詰ったら、手を広げるのをやめ、できる範囲からやり始めます。少なくともそこはできるようになります。小さな自信が生まれ、それが次の行動の燃料になります。

逃げているときに感じる嫌悪感は、逃げることに対する心のサイン、「逃げるな」というサインだと受け止めます。逃げている状態を、自分の心は嫌がっているのです。

逃げずに立ち向かうと、少なくとも生き生きしてきます。生き生きとするのも心のサインです。自分がそちらに向かうことを、心が望んでいるのです。

こうした心のサインを見逃さないでください。その為には、「今自分の心はどう感じているのだろうか」と、時々振り返ってみてください。その時に感じる「心のサイン」を尊重して、迷ったら、まず小さく動いてみる。これを信条にしてみてください。

(2)傷つくことを恐れるな

失敗する経験は成功する経験よりももっと大切なことがあります。
失敗から学ぶという態度を身につければ、そうなります。
失敗したら、そこで学んだことをバネにして、また挑戦すればいいのです。

その時に必要なことは、失敗があっても自分を責めないことです。責めずに、「自分はこういう経験を積んだ」という事実として受け入れます。そして、失敗した自分を否定せず、裁かず、何かを学ぶために、その失敗の事実と自分を静かに観察するのです。

「こういうふうにして失敗した。その時こういう思いを出して、こういうことを言い、こう行動した。その結果こうなって、その時にこういう感情が湧いた。」

そういうことをまじまじと観察します。それが事実だからです。そして、それを事実として受け入れるのです。

そうすることで、悲観するのでのなく、罪悪感を感じるのでもなく、自己否定することもなく、怒るわけでもなく、静かに失敗の原因を見つけます。そして自分がどうすればいいのかが見えてくるのを待ちます。

観察者の立場に自分を置くと、失敗の渦中に入って翻弄されることから免れます。あらゆる経験は、自分を知り、そこから何かを学ぶための機会になりえます。それは成長の機会なのです。

(3)失敗には意味がある

その失敗には意味があります。その失敗を経験したことにも意味があります。
その意味を自分に静かに問いかけます。
この習慣を持っていると、いつかその意味に気づくときがきます。
意味に気がつけた時は、その失敗を乗り越えることができた時なのです。

あなたには、じっとあなたを見ている人がいる。
あなたのために祈ってくれている人がいる。
あなたが立ちあがり、笑顔で輝く人、心の底から願っている人がいる。
この世にいなければ、あの世にいる。
今気がつかなくても、必ずいます。
だから、自分を見捨てないでください。
決して見捨てないでください。

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2015年11月25日水曜日

傷つきと失敗を恐れる人・・・回避性パーソナリティ障害⑤どう接すればいいのか



どう接すればいいのか

(1)本人の主体制を尊重する

回避性パーソナリティ障害の人を育むうえで一番大事なのは、本人の気持ちを大切にして、本人が主体的に、自分自身の意志で生きていこうという気持ちを育てることです。

それまで、たとえば未成年者の場合、本人はやりたいと思っていない習い事を強制されて、しかもそれできなければ、「そんなこともできないの」と、責められ、否定されてきたのかもしれません。

日ごろから、本人が何を求め、何をやりたいのかということを感じ取り、聞くことです。親がやらせたいことではなく、本人がやりたいことを尊重することが大事です。

またできなくても、助けを求めたり、そこから逃げ出す自由を保障してあげることも必要です。

本人の主体性を育てるためには、本人が意思表示をするのを、じっと待つという「忍耐」が周囲の大人に求められてきます。なかなか本人が自分の気持ちを言わないので、つい先走って何かをしてしまうことは、本人の主体性の芽を摘んでしまうことになりかねません。

本人に自分の気持ちを話しをしてもらい、自分から何かを行動し、それをした結果は自分自身が受け止めるという態度を求めていくことです。これが回避が長期化して、「引きこもり」という人生の暗礁に乗り上げる事態を未然に予防し、自立へと向かってもらうことにつながります。

(2)回避行動を長引かせない

回避という行動は、心的外傷体験(トラウマ体験)や長く続いたストレスから自分を守ろうとする自然な自己防衛の反応です。要はそれが長引かないようにすることが必要なのです。

一時的な回避行動には、周囲が過剰反応せず、まず休ませてあげることが必要です。「もうだめだ」と、心の紐がブチ切れる前に、ほどよく心の紐を緩めてあげるのです。「疲れたときは休めばよい」ということを教えることは、長く人生を生き抜くうえで必要な智慧を与えることです。

ある一つのことができなくても、ある場所ではうまくいかなくても、それは決して人生が全部だめになったわけではありません。別の選択をすれば、幾らでも生き筋が見えてきます。

多様な選択枝を肯定することが、人生のゆとりとなり、ある意味では人生の避難所を提供します。どこであれ、自分の居場所ができれば、そこから再起することは、十分できます。

そのためにまず必要なことは、いったんプライドや理想、期待や目標から自由になるということです。高いプライド、高い期待をいったん引き下げることです。あるいはいったん棚上げして、問題にしないことです。

(3)親は自分のことに専念する

一般的にいって、強迫性パーソナリティの傾向を持つ親の元に、回避性パーソナリティ障害の子が出やすいという傾向がありがちです。

強迫性パーソナリティ傾向というのは、「義務感、責任感が強く、例えば、子どもは学校に行くのが仕事で、どんなことがあっても、自分の仕事を果たすべきだと思いこんでいる人」をさします。「ねばならない」という気持ちが極端に強く、それを自分にも人にも強制します。完全主義的で、いいかげんなことを許せません。

親にこういう傾向が強くある場合、子供はその親の義務感の押し付けにくたびれて、動けなくなることがあります。実は、動けないということ、これが子供の意思表示なのです。それは声にならない子供の精一杯の訴えです。こうなるといかに親が子供に義務を説こうが、子供は聞く耳を持ちません。

親が言葉に出さなくても、心の中で非難しているだけでも、子どもはプレッシャーを感じ続けます。

ですので、子どもの人生の主導権を子供の返還して、一喜一憂せずに、本人を信じることです。こういう時はこどものことをかまいすぎず、親が自分のことに専念したほうが、子どもには心の余裕が生まれ、主体的な変化が起きやすくなります。

子どもの手本になるような行動を、自分自身がしてみようと思って、子どもがまねようとまねなくても気にせず、自分のするべきことやしたいことを行うのです。そうすると、子供に関わっていた時間とエネルギーが自分のために有効に使えるようになり、思わぬ成功をおさめたりします。すると子供を見る目にもゆとりが出てきたりするのです。

(4)ほどよく肩を押す

回避性パーソナリティ障害になった人は、心の中で自分を否定しています。

自己評価が低く、周囲のだれかが「やっぱりお前はダメだ」と言うと、その言葉は正しいものとして受け入れ、「やっぱり私はダメだ。だから何もできない」という結論に落ち着いてしまうのです。

ですので、できれば第三者の協力を得ながら、本人が気がついていないいいところや、本人がたいして評価していないような長所を見つけだして、それをほめ、挫折感や劣等感から抜け出すのを助ける必要があります

またさりげなく、本人がやりたいと思うことを、勇気を持ってやれるようにさりげなく励ますことも大切です。

周囲の思い入れが強すぎると、本人の気持ちを追い越して、期待して潰してしまいがちです。ここまでできたのだから、これもできるだろう、あれもしてみようと、周囲が先回りして期待をすると、本人はそれをプレッシャーに感じて心が潰れてしまうのです。

ですので、本人を追い越さない程度に、さりげないはげますが大切です。そしてほどよく肩を押してあげてほしいのです。

  
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2015年11月23日月曜日

傷つきと失敗を恐れる人・・・回避性パーソナリティ障害④4つの基本的な特徴



回避性パーソナリティ障害の特徴



やや学問的な書き方になりますが、回避性パーソナリティ障害の特徴を、本人の「信念」「対人関係」「行動」「認知」の4つの面から、最も中核的なものを紹介したいと思います。

回避性パーソナリティ障害の人を周囲が理解したり、ご自分を理解するために、コンパクトに役立つことを願って、簡単に紹介したいと思います。

回避性パーソナリティ障害の人は、

「自分自身についての否定的な根深い信念

を持ち続けているといわれています。

その信念は、子供時代から徐々に形成されてくることが多いようです。

何らかの家庭の事情によって、

自分がしたいことや自分の存在を拒絶されているように感じて育ったり、

色んな行動や願いを批判されて養育者に育てられて成長する。

こういう人は、世の中でも決して少なくありません。

しかし、そのうちのある人は、「私は不適格者で価値がない人間だ」と思いこむことがあります。

冒頭に述べた「自分自身についての否定的な根深い信念」は、養育者のそうした態度を、

自分を否定する方向へと内在化し過ぎた結果であるといえます。


回避性パーソナリティ障害の人は、人間関係の上では、

誰かと親しくなって「本当の自分」がその人に知られることを避ける行動をとります。

本当の自分」を知られると、その人に嫌われるに違いないと信じているからです。


回避性パーソナリティ障害の人は行動面では、

自分自身を不快な感情にさせる思考を生むような課題を避けるように行動します。

つまり、あることに挑戦しようとして、「自分は失敗するに違いない」とか、

「周りが自分をあざけるに違いない」という思考が生まれる状況を回避します。

それに向き合ったときに不安などの「嫌な感情」が出るようなものには、

決してチャレンジしようとしないのです。

それゆえに回避的な行動パターンを持っているのです。


さらに認知面では、「不快な感情」を生む事柄について考えるのを避けます。

決して向き合おうとせず、それについて考えることも避けるのです。

この人の不快感に対する耐性はかなり低く、

不安や悲しみや退屈を感じたら、いつも気を紛らわせてくれるものをさがします。

ゲームやテレビや食物やタバコや、歩き回ったりして、とにかく気を紛らわせます。

食べ過ぎて太ってしまったり、憂さ晴らしにお金を使いこんだりすると、

健康や経済面での現実的な行き詰まりに突き当たります。


以上のような事情から、回避性パーソナリティ障害の人は、

とても居心地の悪い状況に陥っているのですが、

その状況を自分の力では変えられないと思っています


自分では変えられないと思っているので、自分から変化を起こせないでいるのです。

カウンセラー等の第三者による支援が必要なのは、そういう事情から来るものです。


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2015年11月22日日曜日

傷つきと失敗を恐れる人・・・回避性パーソナリティ障害③発生原因



「回避性」の発生原因

(1)褒められたことがない

回避性パーソナリティ障害を持つ人には、親から否定されて育った経験を持つ人が多くます。「親から褒められたことがない」という言葉は、回避性のタイプの人がよく口にする言葉のようです。

これは母親が褒め言葉が少なかったのかもしれませんが、叱られた記憶が強烈で、子どもが褒められた言葉を忘れていることもあるかもしれません。

母親が褒め言葉が少なかったとしても、子育江で孤軍奮闘して、心の余裕がない状態に追い詰められていた可能性もあります。その場合は、夫が子育て中の妻を心身共に支えてこなかった可能性があります。

子育ては、夫婦がそろって担う責任であり、夫は妻を支えるという努力が不可欠です。母親だけが責められることが多いのですが、それは公平性に欠けていると思われます。

さて、回避性パーソナリティ障害の人の育った家庭は、「華やかで、常に賞賛を求め、スポットライトに中心にいる自己愛性の人が兄弟や家族にいて、その目立たない影のような存在として、ずっと育ってきたというケースが少なくない」と、医学博士・岡田尊司氏は指摘しています。

こういう家庭で育つと、「華やかで成功に満ちた」兄弟たちとくらべて、「自分は劣った存在だ」という認識、つまり自己劣等視の思いこみが刷り込まれることは十分にありうることです。

いずれにしても周囲がこの人を評価しなかったか、むしろ低い評価否定的な評価しか与えてこなかったか、あるいは何らかの事情で本人がそう思いこんでいることが、暗い影を心に落としています。その結果、「自分に自信がなく自己評価が低い」回避性パーソナリティ障害が形成されたと考えられています。

以上のような理由から、回避性パーソナリティ障害になり、その結果「ひきこもり」の生活をする青年は、「親に一度も褒められた記憶がない」という人が少なくありません。

両親が完璧主義で、とても義務感の強い人で、できるのが当然だという態度で、息子にも、自分にも臨んで来た場合、両親の「できて当然」という態度から、その息子は「失敗したらどうしよう」とひどく失敗を恐れるようになることがあります。成功しても褒められず、失敗すると必ずひどく叱られてきた経験を重ねることがあるのです。

そんな場合でも、「失敗してもそこから学ぶことがあるのでは」という見方をすることで、復帰への第一歩を歩み出せることがあります。「失敗を恐れる」気持ちが変わると、チャレンジできるのできるようになるのです。

(2)いじめられる経験と恥をかく経験

いじめを受ける経験も、回避性パーソナリティ障害を引き起こす要因です。

他人に対する信頼感を損なう経験だからです。

それに加えて、人前で恥をかいたり、自信を喪失するような経験が重なると、回避性パーソナリティ障害になりやすいといえます。

逆にいうと、回避性パーソナリティ障害の人には、人から害されたことが傷になったまま残っていることが多く、その傷を癒す必要があるのです。

(3)頑張り過ぎた人に多く発生

回避性パーソナリティ障害の若者に多い特徴として、「本人が本心では望まないことを長年押し付けられてきて、主体性が損なわれている」ことが挙げられます。

勉強でも習い事でも、「やらされ過ぎ」の人の場合、新しいことに取り組むことが、積極的な喜びを連想させるのではなく、負担が増えることとしか受け取れなくなることがあります。

本人の意思とは無関係に、小さいころから親の望むことをやらされ続けた場合、それが一種の強制労働体験のようになり、トラウマのようになっていることがあり得るのです。

こういう場合、やらされてきたこと(勉強や習い事)、努力することに対してアレルギーの状態が起きていて、「もうあんなことはたくさんだ」という気持ちが、本人の中に根付いていることがあります。

実は、努力家で真面目な親が、子供が弱音を吐くことを許さず、子どもを頑張らせ過ぎてしまい、とことん痛めつけてしまうことが少なくないと言われています。熱意と善意で子どもを教育しているがゆえに、その影の側面になかなか気づきにくいといえます。

(4)体験不足から来る不安

最後に、現実の中での不快な体験が不足していて、「傷つくことに耐える力(耐性といいます)が培われていない」ことも、回避性パーソナリティ障害の要因として挙げられています。

生活が豊かになった代償であるとも言えます。それを考えると、小さいころに不快なことに耐える経験をすることは、後々に必要なことのようです。



回避性パーソナリティ障害でひきこもる子供たちの一般的な特徴は、「無気力」で「主体性」を持たず、現実的な試みや努力を回避する一方で、自分の思い通りになる親には依存する傾向が見られます。

場合によっては、それが事実か思い込みかは問いませんが、「それまで意に反して頑張らされた」ことへの恨みの思いや現状への不満か積もり積もって、すべて非を親に責任転嫁し、暴力をふるったり、暴言を吐くこともあります。

ここまでくると、たんに回避性パーソナリティ障害であるのみならず、境界性パーソナリティ障害を併発していると考えられます。従って、境界性パーソナリティ障害への治療を合わせ行う必要が出てきます。

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