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3月, 2015の投稿を表示しています

わかりやすい境界性パーソナリティ障害③・・・極端に走る行動化

境界性パーソナリティ障害では、根底にある感情は見捨てられることへの極度の不安感情です。

「また見捨てられるのではないか」という不安、居ても立っても居られない不安感。それはよるべのない不安なのですが、そうした不安感にさいなまれます。

それとともに、うつ、孤立無援感、自暴自棄、憤怒、絶望、空虚感などのネガティブな感情が吹き出してきます。これらは通常ではコントロールが出来ないほどの激しい感情です。

その激しい感情につき動かされ、驚くような行動に走ります。

これを行動化といいます。行動化は「崩れ落ちそうな自分の心を、何とか支えるために逃げ道」であり、「あまりの不安でじっとしていられず」に行うものです。

代表的な行動化は、8つあります。



①対人操作と見られがちな行動


「周囲を自分の思い通りに動かそうとしている」かのようにみられる行動をとります。

根底には「私以外の人と仲良くしている。見捨てられるかもしれない」「かまってほしい」「自分の思い通りに動いてほしい」などの切迫した気持ちが働いています。

境界性パーソナリティ障害の人は、人の微妙な心の動きには過剰なほど敏感です。そして、心に入り込むタイミングを掴む感度は抜群です。

自分にかまってほしい気持ち。それがあふれるほどあるため、「あなたにだけ」「ここだけ」を多用します。これは依存のための対人操作とみなされがちなのです。

逆に攻撃のために対人操作とみなされがちな行動もあります。見捨てられたと思いこんで恨むと、根も葉もない嘘をついて、その人の悪口を言いふらしたりします。

もっとも、これらは意図的に相手を陥れることを企むというより、あまりの心の苦しみからそうせざるを得ないのです。そうとらえるべきだと思います。



わかりやすい境界性パーソナリティ障害②……噴き出す感情

境界性パーソナリティ障害は「見捨てられることを恐れてなりふりかまわず行動する」心の病といえます。


たとえばこういうケースがあるでしょう。

ある女性は、幼児の頃に病弱でうつ状態だった母親にかまってもらえないことが多かったので、「見捨てられる」という「よるべのない不安」を抱えて成長しました。小学校と中学校では友達からいじめられ「いつも一人ぼっち」という孤立無援感に苦しみ、ほとんど友だちと呼べる人ができませんでした。そのために見捨てられ、孤立することへの不安が極端に膨らみました。

家庭では欲求が通らないと、激しい怒りである憤怒がこみあげて母親に暴言暴力であばれるようになり、家の中のものが壊れました。学生時代には一人で下宿にいると居ても立っても居られない不安におそわれるため衝動買いしたり、性的逸脱も見られるようになりました。でも必ずその後でどうしようもないほど「心が空っぽ」という空虚感を感じて、深い穴に落ち込んだような抑うつ気分に陥りました。

会社に就職して付き合っていた男性が別の女性とレストランで親しく食事をしているのを見て、見捨てられたと思いこみ、自暴自棄になって「こんな自分はもうどうなってもいい」「私なんかいないほうがいいんだ」と絶望し、大量の睡眠薬を飲みました。メールでは自殺をほのめかしていました。


こうした事例は典型的な境界性パーソナリティ障害の女性のケースといえそうです。

ここで太字で書いた感情は、境界性パーソナリティ障害で特徴的に見られる感情です。

ストレスがたまるとこうした「感情」が統御できなくなり、自殺企図や過食、リストカット、衝動買いなど、さまざまな行動化が生じます。


境界性パーソナリティ障害に特徴的に見られる7つの感情を紹介します。


①憤怒・・・「絶対に許せない!」と怒りがこみあげてきて止まらない。


わかりやすい境界性パーソナリティ障害①…代表的なパターン

パーソナリティ障害というのは、外からの刺激に対するその人の反応に病的な部分があることです。外界からの刺激とは、たとえば人の言葉であったり行動であったりします。それに対して「見捨てられる」「拒否される」という不安がこみあげてきて過剰に反応するのが、境界性パーソナリティ障害です。


例えばある職場の女性が、「誰々さんと今度旅行に行くわ」と嬉しそうにいうと、パーソナリティが健康な人は「良かったね。楽しんでおいでよ」と言ったりするでしょう。ところが境界性パーソナリティ障害の人は、「私は仲間外れにされて見捨てられてしまう」という不安がよぎるため、「〇〇さんは気をつけたほうがいいよ」と言って、それを邪魔しようとします。強い見捨てられ不安が心の奥に存在するために、病んだ反応をしてしまうのです。


境界性パーソナリティ障害の代表的な6つのパターンを紹介します。

①リストカットを繰り返す


リストカットを繰り返す人は、「自分なんかどうでもいい」という自暴自棄の感情にとらわれています。「このまま生きていても仕方がない」と思うと、自分を傷つける自傷・自殺企図が始まります。

親や恋人はその自傷行為を見つけると慌てふためいて心配します。すると本人は「かまってもらえる」という安心感を感じて落ち着きます。

しかし、リストカットなどの自傷行為が重なると、「またか」と周囲が思うため、それほど心配されなくなります。すると「だれも私を構ってくれない」という空虚感(心がからっぽという感覚)に襲われ、さらに深刻な自傷・自殺企図を行います。本当に死んでしまうことがあるので、注意してあげてください。


②悪口を言いふらして人間関係を破壊する


だれかと親しくなるとベッタリと依存します。

ところが、別の人と楽しそうに話していたなど、周囲が驚くほどささいなことをきっかけに「見捨てられた」と強烈に感じます。

「私とだけ仲良くしてほしい」と思うので、相手の悪口を吹き込んで間を裂こうとします。自分の思い通りに相手をコントロールしようとする対人操作が始まるのです。

しかし、そうしたことが積み重なると、次第に人間関係が破壊されるので仲間内から疎んじられるようになり、その共同体には居られなくなります。こうして「見捨てられ不安」が強化されます。

こうして見捨てられ不安を現実化して自己確認してしまうような行動を、自らとってしまいがちです。決してそれが好きでそうし…

境界性パーソナリティ障害16…「幼児の心」の支配

境界性パーソナリティ障害の人には、「大人の心」と「幼児の心」が二つながらあります。普段は大人の心で生きているのですが、強いストレスを感じると「大人の心」が「幼児の心」に入れ替わることがあります。すると「幼児の心」が本人を支配して、自己コントロールできなくなります。

「幼児の心」は、自分の欲求を満たしてくれると満足し、機嫌よくしているのですが、少しでもそれが損なわれると泣き叫び、不満と怒りをぶちまけます。


幼児は、母乳の出が悪いと不満で泣き叫びます。幼児にとっては、よくお乳が出るオッパイは「よいオッパイ」ですが、出ないオッパイは「悪いオッパイ」でしかありません。それがどちらも同じ母親の同じオッパイであるということなどは認識していません。その場その場の欲求を満たしてくれるかどうかが、「よい」「悪い」の基準となります。


メラリ―・クラインという精神分析医は、幼児はこうして部分部分、またその瞬間その瞬間の満足、不満で対象と結びついており、その奥に母親という全体があることを認識して関わることができないことを発見しました。


この段階の「幼児の心」にとって、自分の欲求充足を邪魔されると、これまで満たされ満足していたのに、その瞬間の不満や不快さにすべて心を奪われて、怒りを爆発させて、泣きわめきます。つまり、自分の思い通りにならない時、すべての非を「悪い」対象のせいにして、怒りを爆発させ、攻撃するのです。これが「幼児の心」です。


思春期に入って境界性パーソナリティ障害が発症した若者が、自分が欲しいものを親が制限して買ってくれないと、物を投げたり、親に悪態をついたりして、買ってもらうまで暴れまくるということがあります。これはその若者が、自分の中にある「幼児の心」に支配されている姿です。

これに対して「大人の心」とは、離乳期を超えたあたりから、しだいに発達してくる心です。


その頃から子供は、母親も一人の独立した存在で、自分の欲求を常にすべて満たしてくれるわけではないことを少しずつ理解するようになります。さらに成長すると、自分にとって都合の良い「よい母親」も、欲求を満たしてくれない「悪い母親」も、どちらも一人の同じ母親であることが理解できるようになります。そして相手の都合や気持ちにも配慮できるようになり、「良い」面も「悪い」面も両方を持った一人の人間として母親を認識し関係を持てるようになるのです。


この…