私たちが悩んだり、イライラしたり、どうしていいかわからずに混乱し、行き詰っている時は、自分の心が分からなくなっている時です。
私の心は、単一のものではなく、いくつもの意識の層に別れており、それが合わさった複合体です。ですから、自分の心を知りたいという時は、その各層の意識が何を感じてどう思っているかを理解したうえで、自分がどうしたいのかを決めるという作業が必要です。
私たちの心は、時にまったく正反対の矛盾した思いを、同時に持っています。これはその矛盾する思いをもつ意識の層が異なっているにもかかわらず、それをしっかりと分けて認識していないので、自分が分裂してしまうのです
大切なことは、それぞれに意識の層が感じている思いを無視したり、拒絶したり、抑えつけるのではなく、それぞれを受け入れてそういう思いが出てくることも理解した上で、最終的に自分自身がどうするかを選択するということです。
2.心の各層に問いかける
私たちが自分の心の各層を意識するときに、次のようにすると心が立体的に見えてきます。これは私が心理カウンセリングの中で経験的に学んだ方法です。 主に自分の心に問いかける質問形式でご紹介します。
①肉体意識はどう感じていますか。自分の肉体は意識を持っています。その肉体意識が感じている肉体(身体)の声をまず感じ取ってください。
②私の顕在意識、つまり現に今生活している「私」という意識は、これをどう思っていますか。どうしたいのでしょうか。何を感じているのでしょうか。
③私の個人的潜在意識はどう感じていますか。個人的潜在意識は、生まれてから今までに発した意識の集積ですので、普段は忘れていても、思いだせることもあります。ここには、「過去に傷ついて仕舞こんだ思い」や、「抑圧した思い」、「感じることを拒絶した思い」、「傷ついた子供の私」などがいます。それがどう感じているかを知ることは、とても重要です。
実は個人的潜在意識も、さまざまな思いの複合体なのですが、ここではあまり気にせずに、最も自分にいま関係する部分との対話をしたいと思って取り組んでください。そういう思いを発することで、自動的にそうなっていく仕組みが心には備わっているようです。
④さらに深い潜在意識である深層潜在意識ではどう感じ、思っていますか。深層潜在意識は過去世と言われる記憶が蓄積されている心の領域です。過去世の経験や学習]さらに過去世の個性によって、特有の考え方や感じ方をしています。いくつもの過去世の記憶が詰まっていますが、ここでは特に今の自分に影響を与えている深層潜在意識に呼びかけるつもりで、「あなたはどう思っているのですか」と質問するといいと思います。
さらに上級に行くと、自分の心の中核意識である丹田意識との対話ができるのですが、それにはいろいろ鍛錬が必要ですので、ここではそういう意識があるということだけをお伝えしておきたいと思います。
心の各層との対話の仕方は、その意識の層を意識して、
「どう思いますか。どう感じていますか。」
と心の中で問いかけてあげることです。実にシンプルです。
そして受け身の気持ちで、心に湧き上がってくる思いやイメージを受け止めてください。言葉としてくるときは書くことが有効です。イメージの場合は、私はクレヨンでそれを描きとめることをお勧めしています。
たとえば、肉体意識では、ここで本能と直結しているので、非常に本能の正直な声が欲求として聞こえやすいです。また自分が無理をしている部分があると、それが体の不調になって出てくるのを見ても分かるように、今の生活や意識の持ち方への警告が出てきやすいと思います。
たとえは顕在意識では「納期に間に合わせるために徹夜しなければならない」と思っていても、肉体意識は「もうもたない、休ませてくれ」と悲鳴を上げていることもあります。
頭が痛い時に、頭に意識を向けると、どの部分がどのようにいたいのかが感じられてきます。「どうしていたいの」と聞いてみてください。心に浮かんでくる思いがその回答であることが多いといえます。
さらに、その頭痛に意識を向けて、浮かんでくるイメージを描きとめます。色も付けます。赤であれば怒りであるでしょうし、黒であれば抑圧された想いや、否定かもしれません。灰色では不安であることもあるでしょう。色によっても、形によっても、さまざまなことを伝えてくれます。カウンセラーが一緒に分析するときは、より深くその思いの中に入り込むことができます。
これらはより高度な分析になりますが、通常であれば、単に各意識の層にシンプルに問いかけだけで、回答が来るようです。個人差はありますが、私のクライエントの方の場合、非常に的確にキャッチされていることを実感しています。
<種村トランスパーソナル研究所の連絡先>
℡:090-8051-8198(心理カウンセラー・種村修)
メール:tanemura1956@gmail.com
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